ユベントスがスクデット5連覇、そしてコッパ・イタリア連覇のシーズンダブルを達成しました。終わってみれば圧倒的な勝点を獲得してのリーグ優勝でしたが、長い道のりを乗り超えての苦しいシーズンだったように思います。

とても不思議なカンピオナートでした。

マラソンで言うと、序盤の給水地点で転倒。そのあと有力選手たちを追走し、粘りに粘って20㎞過ぎになんとか先頭集団に追いつき、そのあと数人で先頭集団を形成。35km付近から驚異的なスパートで一気に優勝したといったところでしょうか。

開幕当初のつまずきにより、シーズン前半は多くの苦しみを味わいました。とても5連覇するだろうとは言えないほどの停滞振りで、あのようなユーヴェは見た記憶はありません。偉大な選手たちの抜けた穴は大きかったのでしょうが、新加入選手の早期順応は見事でした。

この5シーズンは選手たちそれぞれがレベルアップし、その成長がチームの成長に繋がっているように見えました。各ポジションで良い意味での競争があり、理想的なチームに近づいているように思います。

印象的だった試合はバイエルン・ミュンヘン戦でした。下馬評では圧倒的に劣っていましたが、それを覆すことができるのが伝統的なユーヴェの強さ。あと1歩のところまで最強チームを追い詰めたことが自信に繋がるはずです。

選手ではパウロ・ディバラが輝いていました。シーズン序盤はなかなか起用されませんでしたが、途中出場で少しずつ結果を出してきました。独特のリズムを奏でながらの前への推進力や高度なテクニックを駆使した正確なプレーからは、次世代のスーパースターになると確信させるものがあります。

シーズンMVPを挙げるなら、ジャンルイージ・ブッフォン。973分間無失点というリーグ新記録を打ち立てたことに加え、古株である彼の経験と誰にも真似できない安定したプレーにより、チームを窮地から救い出したと言えます。

また、アンドレア・アニェッリ率いるフロントが示す確かな数字はシーズンを追うごとに上がり続け、それは今シーズンも変わりませんでした。ポジティブな数字で現場を支え続けているのがわかりますし、世界中のティフォージを飽きさせない攻めの仕掛けはこれからも続いていくでしょう。

“Hi5tory”に続くスクデット6連覇はあるでしょうか? それは十分な可能性があります。そしてチャンピオンズリーグのカップを掲げること。楽しませてくれた1シーズンに感謝し、また新しいシーズンに期待します。

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